交通安全の話
当店では、初心者の方から上級者の方まで二輪車安全運転推進委員会の主催する二輪車安全運転講習会への参加をお勧めしております。安全運転というと、法規走行のイメージが強いかと思いますが、実際はツーリングなどでご自身の安全マージンをたくさん得るための様々なライディングテクニックを講習してくれる内容ですので、一言で言うとオートバイへ乗るときに余裕が出てくる、といった目的のために行われるものです。
具体的な講習内容は?
バイクは心・技・体が一体となったとき、始めて自在に操ることが出来る乗り物です。この講習会では山梨県立園芸高校のコースを使用し、基本操作のマスターと交通法規への理解を深めるため、主に次のような内容を実践していただきます。
1. 低速狭路走行(1本橋)…バランスの取り方をマスターするための基本。始めのうちは無理せず安全に渡りきることがポイント。
2. スラローム走行…アクセルを開け閉めしたときのバイクの動き、また、ブレーキ操作をしたときのバイクの動きを理解していただき、安全かつ確実な旋回操作をマスターする。バイクの操作はもちろん、目線をどこに置くかが重要。
3. 8の字走行…加速、減速、旋回操作を連続して行ない、バイクの動きと操作感のズレを認識。バランスを保ちながら、いかに安定した走行ラインを取れるかがポイント。スラローム走行同様、目線も大事ですが、慌てない平常心が必要となる。
4. 傾斜地8の字走行…いわゆるキャンバーターンといわれるテクニック。Uターンが苦手なライダーにもっとも効果的な項目です。バイクのコントロール術および的確な目線配置、平常心が揃って始めてクリアできるセクション。
◎この他にも、時間が許す限りさまざまな走り方を講習していただきたいと思います。また、講習には二輪車特別指導員があたりますので、無理せず安心して臨んでください。
開催日時
毎月第2日曜日。午前8:30当店出発 9:00から15:00まで実施
場所
山梨県立園芸高校
講習車両
普段使用なされているご自身のものをご用意下さい。
参加費
保険代として500円を頂きます。昼食は各自ご用意下さい。
お申し込み方法
参加希望の方は、事前に当店店頭まで直接お申し込み下さい。
参加するにあたり注意する点
園芸高校の近隣は、一般住宅が多くございます。マフラー等の改造により音量の大きい車両につきましては、参加をお断りいたします。二輪車のマナー向上にご協力下さい。
参加者の声
「Uターンが楽にできるようになった」「ツーリング先で不安なく楽しめるようになった」「周囲がよく見えるようになり、早めの危険回避ができるようになった」「自分のバイクってこんな風にも走らせられるんだと、改めて知った」「的確なブレーキングができるようになったので、峠道やコーナーへの恐怖心が無くなった」「タンデムしたとき、同乗者から運転上手くなったね!と言われるようになった」
当講習会にて技術とマナーをレベルアップできれば、毎年開催されている2輪車安全運転大会にて上位を狙える実力が身に付きます。また、転倒や事故率も激減、ロードレース等の競技会においては、スランプから脱出できタイムが上がった等の声も頂いております。しかしながら、競技大会での成績向上はあくまでオプション的なもの。当会の趣旨である運転技術とマナーの向上をご理解いただき、あなたのバイクライフにプラス効果が得られることを願っております。
●交通安全講習から●
今回は、交通安全講習会からちょっと面白い講和がありましたのでご紹介いたします。次の図から、実際に起こった交通事故に関する問題を考えてみてください。少女は学校から帰宅し自宅から道路の左側を通り、友人の家の向かい側から横断しようとしています。友人の家の向かい側の家の前にはトラックが駐車していています。少女はいつも道路を横断するときは左右を確認するように言われていたので確認して横断しようとするのですがトラックが駐車しているため、自分の右側が確認できません。トラックの全長は約6m、少女の立ち位置がトラック前方約1mです。少女が横断しようとしたときのことです。トラックの後方より50才代のベテランドライバーが走ってきました。この乗用車は対向車が来ないことを確認し進路変更、速度を40km/hから25km/hまで減速してトラックを追い越そうとしました。ところが、対抗車線へ出たときに少女の横断していたのです。このベテランドライバーは、すぐさま確認後ブレーキ操作を行いました。ここで、問題です。この乗用車は少女に向かって走っていますが、どのような状況になったのでしょうか。次の3択から考えてみてください。

3択その1 乗用車は少女の直前で停止した。 3択その2 乗用車はブレーキが効いた状態で少女に追突した。 3択その3 乗用車はノーブレーキ状態で少女に追突した。
まず、正解ですが、答えは「3択その3 乗用車はノーブレーキ状態で少女に追突した」です。これは、実際に起こった事故で、この事故により残念ながら少女は死亡しました。それでは、この事故を未然に防止することはできなかったのでしょうか。速度を25km/hまで減速した場合、たいていのドライバーはすぐに停止することができると意識しているものなのです。なぜ、この件では停止できなったのか。そのことを考えてみましょう。まず、ブレーキ操作において、車が停止するまで、ブレーキを操作するまでの間走行してしまう距離「空走距離」とブレーキ操作が実際に行われて車が停止するまでの「制動距離」があります。したがって、車が実際にブレーキをかけて停止するまでの「停止距離」には次のような関係があります。


この事故の場合、乗用車のドライバーがブレーキ操作を行うまでの時間は1秒かかるため、25km/hで走行した場合、秒速約7mのため、空走距離が7mになり、少女へ追突する時点ではノーブレーキになるのです。もし、このドライバーが進路変更し、減速したときに危険を予測し、ブレーキペダルへ足をのせ、この空走距離を限りなく0mに近づける運転をしていたならば、25km/hの制動距離は約4.5mですので、少女は助かったことになるのです。こうした事例から「注意1秒」という標語が生まれたのかもしれませんね。このちょっとした危険予測とブレーキ操作が1秒という短い時間の単位で一人の命を救うことができることがあるのです。現在の車にはABS装置等、制動距離を縮めるための優れた装置が備わっておりますが、いくら優れた制動装置においてもこの空走距離を縮めることができるのは人間の操作でしかありません。まして、2輪車の場合においてはこの制動時に自分のバランスを保つ難しさが加わります。停止することの重要性、また、難しさを十分に理解した上で思いやりのある運転を心がけましょう。